残業代の正しい計算方法とは?時間外手当と残業手当の違いも解説 バックオフィス

残業代の正しい計算方法とは?時間外手当と残業手当の違いも解説

【この記事の要点】

  • 残業手当と時間外手当の違い:残業手当は就業規則で定めた「所定労働時間」を超えた労働に対する手当全般を指し、時間外手当は法律で定められた「法定労働時間(1日8時間・週40時間)」を超えた労働に対して支払われる割増手当(割増率25%以上)を指します。
  • 残業代の正しい計算式:残業代は「1時間あたりの基礎賃金(月の基礎賃金 ÷ 月平均所定労働時間) × 実残業時間(1分単位で集計) × 割増賃金率(25%〜60%)」で算出します。
  • 手計算のリスクと効率化:除外手当の判定や月60時間超の50%割増など計算ルールは複雑化しており、労務コンプライアンス遵守と工数削減には給与計算代行サービスのような専門アウトソーシングの活用が有効です。

給与明細には「時間外手当」「残業手当」といった項目があります。ただ、その計算方法は勤務形態や割増率によって異なるため、分かりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。この記事では、給与計算業務で毎月発生する残業代の正しい計算方法を紹介します。時間外手当と残業手当の違いや、計算するうえでの注意点についても分かりやすく解説します。

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残業代とは

残業代の計算をするためには、残業の定義を理解する必要があります。まずは、法定労働時間、所定労働時間の違いについて解説します。

残業=法定労働時間を超えて働いた時間

残業とは、労働基準法第32条で定められた「法定労働時間」を超えて行われた労働を指します。

【法定労働時間】

労働基準法第32条で定められた労働時間の上限で、1日8時間、週40時間と定義されています。業種によって週あたりの法定労働時間が44時間と例外的に認められる場合があります。

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所定労働時間とは

法定労働時間と混同されがちなものに「所定労働時間」があります。これは、企業ごとに就業規則で定めている労働時間のこと。休憩時間を除く始業から終業までの時間を指します。例えば、9時から17時(休憩1時間)勤務の場合、所定労働時間は7時間です。

残業手当(残業代)と時間外手当の違い

法定労働時間と所定労働時間の違いを理解したところで、残業手当(残業代)と時間外手当の違いについてご説明します。
前述のように、所定労働時間が9時~17時まで7時間の従業員が、19時までの2時間を余計に働いたと仮定します。この場合、1日8時間の法定労働時間に照らすと下図の解釈になります。

【所定労働時間:9時~17時の7時間/ 19時まで働いた場合】

・17時~18時までの1時間=「法定内残業」=残業手当(残業代)
・18時~19時までの1時間=「法定外残業」=時間外手当

この図からお分かりいただけるように、残業手当(残業代)と時間外手当は厳密には異なります。時間外手当とは、法定労働時間を超えた場合に支払われる残業代のこと。割増賃金率が適用されます。一方の残業手当(残業代)は、法定内・外を問わず、会社が定めた所定労働時間を超えた時に支払われる賃金を指します。つまり、時間外手当も残業代の一部という解釈になります。ただし、法廷内残業の場合に残業手当(残業代)を支給するかどうかは企業ごとに基準が異なります。

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残業代の計算方法

残業代の計算式

1時間あたりの賃金額 × 時間外・休日・深夜労働をした時間 × 割増賃金率

「1時間あたりの賃金額」を算出する計算式

「月の基礎賃金 ÷ 1か月の所定労働時間」(月給制の場合)
※月の基礎賃金とは基本給および諸手当です。

残業代を計算する際の割増賃金率

残業代の割増賃金率は、労働した時間帯や日数、時間数によって労働基準法で下限が定められています(企業の規模を問わず一律適用)。

労働区分条件割増賃金率
時間外労働1日8時間・週40時間を超えた労働25%以上
時間外労働(月60時間超)1か月の時間外労働が60時間を超えた部分50%以上
深夜労働原則として午後10時〜午前5時の労働25%以上
法定休日労働法定休日に労働させた場合35%以上
時間外 + 深夜法定外残業が深夜時間帯に及んだ場合50%以上(25%+25%)
時間外(月60時間超)+ 深夜月60時間超の時間外労働が深夜に及んだ場合75%以上(50%+25%)
休日 + 深夜法定休日の労働が深夜時間帯に及んだ場合60%以上(35%+25%)

※基礎賃金から除外できる手当は、法律で「家族手当・通勤手当・別居手当・子女教育手当・住宅手当・臨時に支払われた賃金・1か月を超える期間ごとに支払われる賃金」の7つに限定列挙されています。役職手当やテレワーク手当などは除外できず、基礎賃金に含めて計算する必要があります。

残業代の計算方法

残業代を計算する際の注意点

36協定の締結

労働基準法第36条において、法定労働時間を超えての労働や休日出勤が必要な場合に、企業と従業員の間で協定を締結し、その協定書を所轄の労働基準監督署に提出しなければならないと定められています。この協定のことを「36(サブロク)協定」と言います。
36協定を締結していない状態で法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超える労働を従業員にさせてしまうと、労働基準法違反となります。また、36協定を締結した場合でも、原則として月45時間、年360時間を超える時間外労働は認められていません。

残業できる時間の上限規制

前述の通り、36協定による時間外労働の上限は、月45時間、年360時間と定められています。ただ、差し迫った事情により一時的に上限時間を超えた残業が必要な場合も考えられるでしょう。この場合には、労使協議を行い「特別条項付き36協定」を結ぶことで、例外的に残業時間の限度を超えて労働させることができます(月100時間未満、年720時間以内)。多くの企業で、36協定を締結する際に、特別条項付き36協定も合わせて締結するケースが見受けられます。
なお、特別条項付きとした場合でも、月45時間を超えての残業は1年につき6カ月まで、休日出勤の時間を含め2〜6カ月間の残業時間の平均は80時間以内に収める必要があります。

残業代は1分単位で計算

残業代は1分単位での支払いが原則です。労働基準法第24条において「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を、支払わなければならない」と表記されています。従って、残業時間を15分や30分単位で切り捨てて給与計算することは禁止されてます。
残業代を計算した際に1円未満の端数が発生した場合は、就業規則に規定することで50銭未満を切り捨て、50銭以上を切り上げる処理をすることが可能です。

【注意:未払い残業代の消滅時効は「3年」】
労働基準法の改正により、残業代を含む賃金等請求権の消滅時効は「3年」となっています(将来的には5年への移行が予定されています)。日々の端数切り捨てや基礎賃金の算入漏れが発覚した場合、過去3年分に遡って未払い賃金の支払いを求められる法的リスクがあるため、1分単位での正確な勤怠集計が不可欠です。

▼【関連記事】給与計算業務の全体像と効率化のポイント
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給与計算を全て人の手で行うには手間がかかる

残業代の計算式はシンプルに見えても、給与計算のルールが複雑化されていたり、本来は残業代の基礎賃金に含めて計算すべき手当が除外されていたりするケースもあり、給与計算業務担当者の手作業による計算はかなり難易度の高い業務です。

しかも計算を間違ってしまうと、下記のような追加業務が発生することになります。

  • 給与明細の再作成・送付
  • 過不足分の調整
  • ミスの原因特定、ミスに対する対策
計算を全て人手で行うのは手間がかかる

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給与計算業務をアウトソーシング会社に委託する理由

給与計算をアウトソーシングしてラクに

残業代を計算するためには、まず勤怠データから残業時間を計算しなければなりません。勤怠データと照らし合わせながら残業代の計算をすることも決して簡単ではありません。
また、勤怠集計システムと給与計算システム両方を導入していてもシステム間の連携がうまくいっていない場合は、結局手作業で入力して計算を行うことになります。
給与計算業務の担当者の負担を軽減するためにも、給与計算システムの導入・連携からアウトソーシングをして業務効率化を目指しましょう。

現場の課題を熟知したBODの給与計算代行が選ばれる理由

給与計算代行のご相談をいただく現場では、「担当者の退職・異動に伴い引き継ぎが困難になった」「属人化が進み、法改正のたびに手作業の修正が発生して業務がひっ迫している」といった切実な課題が多く見られます。

BODでは、企業ごとに異なる複雑な計算ルールや現場の負担を解消するため、以下の体制でサポートを行っています。

  • 既存システムをそのまま活用可能:現在ご利用中の勤怠・給与システムや自社専用にカスタマイズされたシステムを変更することなく、必要な業務範囲のみを切り出して柔軟に委託いただけます。
  • データ加工から周辺業務まで対応:勤怠データと給与システムの連携用データ加工や、社会保険手続・年末調整など周辺労務業務も一括してご相談可能です。
  • 万全のセキュリティと専門資格者体制:給与計算実務能力検定の資格保有者を含む専任チームが対応し、監視カメラや私物持ち込み制限を設けた専用ルームで厳格にデータを取り扱います。
  • 最短6ヶ月の安全な移行運用:キックオフから業務マニュアルの整備、現行業務の引き継ぎ、テスト試算、並行稼働期間を設けることで、移行期の計算ミスを防ぎスムーズな本稼働を実現します。

▼上場プライム企業(従業員10,000名規模)から大手エネルギー会社、中堅企業まで幅広い業界での支援実績がございます。実際の導入プロセスや業務改善効果は、下記の導入事例集をご覧ください。▼

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よくある質問(FAQ)

Q
固定残業代(みなし残業手当)を導入している場合、残業代の計算はどうなりますか?
A

設定された想定残業時間を実労働時間が1分でも超過した場合は、超過分の時間外手当を追加支給する義務があります。
また、「1時間あたりの基礎賃金」を算出する際、月の総支給額から固定残業手当の金額を除外して単価を算出しなければなりません。固定残業代を含めたまま計算すると時間単価の算出基準に誤りが生じるため注意が必要です。

Q
「役職手当」や「在宅勤務手当」は残業代の基礎賃金から除外できますか?
A

原則として除外できず、基礎賃金に含めて残業単価を計算する必要があります。
労働基準法で残業代の基礎賃金から除外できるのは「家族手当」「通勤手当」「別居手当」「子女教育手当」「住宅手当」「臨時に支払われた賃金」「1か月を超える期間ごとに支払われる賃金」の7種類のみに限定されています。企業が独自に支給する役職手当、職務手当、在宅勤務(テレワーク)手当などを勝手に除外して割増賃金を計算すると、未払い残業代が発生する原因となります。

Q
「15分単位の切り捨て」を就業規則に明記していれば違法になりませんか?
A

違法となります。就業規則に定めていても無効です。
労働基準法第24条の「全額払いの原則」により、労働時間は1分単位で集計し、賃金を全額支払う必要があります。ただし、事務簡素化のための例外として認められているのは「1か月における時間外労働の合計時間数に30分未満の端数がある場合は切り捨て、30分以上ある場合は1時間に切り上げる」という月単位の端数処理のみです(日々ごとの切り捨ては一切認められません)。

Q
給与計算のアウトソーシングを検討していますが、現在使っている勤怠・給与システムを変更する必要はありますか?
A

委託先によってはシステムを変更せずに、現行の運用フローのまま委託することが可能です。
BODの給与計算代行サービスでは、主要な人事労務SaaSからオンプレミス型の独自システムまで幅広く対応しています。勤怠データの取り込み加工から計算チェック、明細発行まで、貴社が利用中の環境に合わせた柔軟な業務切り出しに対応しています。

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給与計算とは、企業独自の計算ルールが存在し、一部手計算が発生するなど非効率な作業工程になっている場合もあります。 BODでは、お客様が築き上げられた業務工程を丁寧にヒアリングし、ご希望に寄り添いながら業務フローの改善提案もいたします。給与計算業務にお困りでしたら、どうぞご相談ください。

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