近年ますます活発化するペーパーレスは、SDGs(持続可能な開発目標)とも密接に関係しています。SDGsは、2030年までに世界の課題を解決するための国際的な取り組みのこと。この記事では、ペーパーレスとSDGsの関係性から、ペーパーレス化によってSDGsの目標にどう貢献できるのか、企業イメージの向上につながる理由まで解説します。
毎年4月22日はアースデイ(地球の日)。当記事が地球環境保護について考えるきっかけにもなれば幸いです。
ペーパーレス・SDGsの定義
ペーパーレスもSDGsも一般的に認知されるようになった言葉です。その関係性に着目する前に、それぞれの定義について改めて確認してみましょう。
ペーパーレスとは
ペーパーレスとは、従来の紙を使用した文書や手続きを電子化する取り組みのことを指します。IT技術の進歩により電子メールやクラウドストレージ、電子署名などのテクノロジーを活用し、紙の使用量を最小限に抑えることを目指します。
ペーパーレス化は、企業や組織が効率化や環境保護を目指す取り組みの一環として普及しています。電子化された文書やプロセスはデータとして扱われ、保管・共有が容易になります。これによりコスト削減、時間の節約にもつながります。
SDGsとは
SDGs(Sustainable Development Goals) | 持続可能な開発目標 |
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SDGs(持続可能な開発目標)とは、国際連合が提唱する2030年までに達成すべき目標で、2015年9月の国連総会で採択されました。貧困や飢餓、教育、ジェンダー平等、気候変動など、世界の持続可能な発展のための取り組みです。
SDGsは、17の目標と169のターゲット(具体目標)で構成されています。これらの目標・ターゲットは、経済成長、社会への包括的な参加、環境保護の3つの側面にバランスよく取り組むことを目指しています。
ペーパーレスとSDGsの関係性
ペーパーレスは、SDGsのテーマに深く関係しています。
企業のペーパーレス化は資源の節約につながり、環境に配慮した取り組みとしてSDGsの達成に寄与します。具体的には、用紙やインクの消費を削減することで自然資源の節約に、電子文書やデータの利用は廃棄物の削減につながり、環境への負荷を軽減します。
また、データやデジタル技術の活用により業務効率を向上させられることは、労働環境の改善、ひいては経済成長にもつながります。つまり、企業や組織がペーパーレス化を推進することで、環境保全に寄与し、持続可能な社会の実現に貢献するのです。
ペーパーレスで貢献できるSDGsの目標4つ
ペーパーレスは、SDGsの達成に向けた重要な一翼を担う関係であることをご説明しました。SDGs17の目標のうち、ペーパーレスは「8.働きがいも 経済成長も」「12.つくる責任 つかう責任」「13.気候変動に具体的な対策を」「15.陸の豊かさも守ろう」、これら4つの目標達成に貢献します。項目ごとに見ていきましょう。
8.働きがいも 経済成長も
目標8「働きがいも 経済成長も」とは、経済の成長とともに、働く喜びや労働条件の改善を促進することを目指しています。
ペーパーレス化によるデジタルデータの活用は、生産性向上をもたらし、利益率の増加や賃金引き上げ、雇用増加を可能にします。また、従来の紙媒体を主とした業務環境では、書類を見るため、決裁の印鑑を押すためにオフィスへ出向く必要がありました。しかし、デジタル化された業務環境であればテレワークでの働き方が可能になり、育児や介護との両立も容易になります。これにより、経済成長と雇用創出が期待されます。
12.つくる責任 つかう責任
目標12「つくる責任 つかう責任」とは、持続可能な方法で生産し、責任をもって消費することを意味します。
当然のことながら、地球資源には限りがあります。ペーパーレスの促進は、紙の製造に伴う森林伐採を食い止めること(つくる責任)や、廃棄物の削減(つかう責任)にもつながります。企業は紙の使用を減らすことで、環境保全に貢献できます。不要な紙書類を廃止し削減する取り組みは、国内外の環境負荷を軽減し、持続可能な経済活動に向けた重要な一歩なのです。
13.気候変動に具体的な対策を
目標13「気候変動に具体的な対策を」は、地球温暖化対策を指します。気候変動や、その影響を減らすには、温室効果ガスであるCO2(二酸化炭素)の削減が要点になります。
ペーパーレスは、紙の製造や印刷に伴うエネルギー消費やCO2排出を減らします。また、廃棄された紙資料を焼却する際のCO2排出も軽減します。そもそも、紙の原料である森林を伐採することは、CO2を吸収する森林を破壊していることになります。よって、ペーパーレス化は、気候変動対策にも効果的な貢献をすると言えるでしょう。
15.陸の豊かさも守ろう
目標15「陸の豊かさ」とは、森林やその生態系を守り、生物多様性を保全することです。繰り返し述べていますが、製紙に用いるパルプの原料は木材、つまり森林です。紙を作るために国内外の木が伐採され続けています。ペーパーレスを推進して紙資源の消費を抑制すれば、森林伐採を食い止め、多様な生態系を守ることにつながるのです。
SDGsに貢献できるペーパーレスの具体例
SDGsに貢献できるペーパーレスの取り組みについて、具体的な例をご紹介しましょう。
- 【文書の電子化】
社内文書、紙の資料をスキャンし、電子データで保存、活用する - 【紙の消費量の削減】
資料を印刷する際の工夫(両面印刷や縮小印刷)
会議時にはプロジェクターを使用し、紙の会議資料は配布しない - 【デジタルツールの活用】
電子メール、ビジネスチャットツールの利用
Web会議(オンライン会議)の利用
ワークフローシステムの導入
電子契約システムの導入(電子署名・タイムスタンプの活用)
より詳しい内容については、以下の記事をご一読ください。
SDGsへの貢献で企業イメージの向上に
企業がSDGsや環境保護といった社会貢献に取り組むことは、企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)として評価され、持続可能な経営の一環としても注目されます。社会貢献への取り組みが従業員や取引先といったステークホルダーからの信用につながり、よって企業イメージの向上も期待できるのです。これは企業にとって大きなメリットと言えるでしょう。
毎年4月22日はアースデイ(地球の日)、地球環境に目を向ける日です。環境保全活動、SDGsへの取り組みとしてのペーパーレス化、いま一度見直してみてはいかがでしょうか。
アースデイ(Earth Day:地球の日)とは
アースデイは、地球環境問題に対する認識を高め、環境保護活動を促進するための日として定められています。1970年4月22日に、米国上院議員のゲイローネルソンが環境問題の討論集会を開催したことをきっかけに誕生しました。世界各地、日本国内でも環境保護に関するイベントやワークショップなどが行われています。
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