年末調整と確定申告の比較
計算者 | 計算対象 | |
年末調整 | 勤務先の会社 | 給与所得 |
確定申告 | 自分 | 給与所得、事業所得、不動産所得、雑所得など |
年末調整、確定申告とは
年末調整とは
会社から支給される給料(給与所得)の所得税額を計算する手続です。
年末に一年間の給与が確定するタイミングで、それまでその年中におおまかに天引きしていた税金の再計算、さらに生命保険料控除や住宅ローン控除などを入れて再計算し、追加徴収なり還付なりの調整を行う作業です。1ヶ所しか給与所得がない人は、年末調整だけで所得税額が確定しますので確定申告の必要がありません。
確定申告とは
10種類ある全ての所得(給与所得、事業所得、不動産所得、雑所得など)に関する所得にかかる税額を1年に一回計算する手続です。
確定申告は一年間の所得を翌年3月15日までに自分で計算し、申告・納税する必要があります。通常、会社員は年末調整していれば確定申告の必要はありません
会社員が確定申告する必要がある場合
勤務先が2カ所以上ある場合
給与所得者であっても、2カ所以上の勤務先から給与収入がある場合は、2カ所の給与収入を合算して確定申告が必要になります。
退職者は年末調整を受けられない
12月の給与をもらう前に退職して、その年に再就職しなかった場合は、元の勤務先から年末調整を受けることはできません。確定申告をして所得税の精算をすることになります。
年末調整のミスを確定申告で修正できる
年末調整を受けた後に保険料の控除証明書が見つかったり、年末調整後に子どもが生まれた場合、年末調整が正しく行われないことも珍しくありません。勤務先にその旨を伝え、再調整することも可能ですが、翌年の1月末までしかできません。このような場合には確定申告をして年末調整の不備を正すことになります。
基本的にひとつの勤務先からの給与所得だけの場合は、年末調整で所得税の精算は終了します。
しかし、給与所得以外の以下のような所得がある場合には、年末調整では収まらず、他の所得を合算して所得税を精算する確定申告が必要になります。
- 不動産所得(アパートや駐車場などの経営)
- 事業所得(個人での自営業)
- 譲渡所得(不動産・株・金地金などの譲渡)
- 一時所得(生命保険の一時金、賞金など)
- 雑所得(公的年金、原稿料、先者取引)
- 退職所得(退職金、小規模共済の共済金)
- 配当所得(株式配当→確定申告不要制度あり)
さらに、以下の控除は、年末調整では手続きできないため、還付をうけたい場合は自分で確定申告をする必要があります。
- 医療費控除
- 初年度の住宅ローン控除
- 寄付金控除(ふるさと納税の場合、5自治体まではワンストップ特例制度の手続きをすれば、確定申告は不要)
- 雑損控除(災害盗難による控除)
- 住宅取得等の減税控除の適用初年度(2年目からは年末調整で処理できる)
- 特定支出控除(通勤費・研修費・勤務必要経費などの合計額が給与所得控除額の2分の1(最高125万円)以上になった場合の超過分は確定申告の計算上で控除することが出来る)
まとめ
ひとつの勤務先からだけ給与を受け取っている場合には、給与が2,000万円を超えない限りは年末調整だけでその人の所得税の精算は終了します。
しかし申告が必要な所得を見落とし、期限までに確定申告・納税ををしないと延滞税や無申告加算税などの申告漏れによるペナルティーが科されることがあります。
それぞれの対象を理解し、自分がどこから何の所得を得ているかの把握をしておくことが大切です。
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